「乳がん~早期発見でたすかる命~」
乳がんは従来欧米に多く日本では少ないがんでしたが近年は罹患率・死亡率ともに急激な増加傾向にあり、現在では日本人女性が罹るがんの第1位です。実に約10人に1人という割合です。また、30~64歳の女性死亡原因でも第1位となり年間1万4千人が乳がんで亡くなっていて日本人女性にとっての大問題です。

乳がんに罹る危険因子は、
*40歳以上
*初潮が早く(11歳以下)閉経が遅い(55歳以上)
*初産が30歳以上
*出産の経験が無い
*閉経後の肥満
*乳腺疾患(乳腺症などの)に罹ったことがある
*家族(祖母・母・姉妹)に乳がんまたは卵巣がんの人がいる
*乳がんになったことがある

などになりますが、乳がんは他のがんに比べ検診などで(早期)発見しやすく、欧米では検診受診率の向上が早期発見⇒治療につながり死亡率が減っていますが日本は未だ検診受診率がとても低く死亡者数が年々増加している現状です。40歳以上の人は乳がん検診を定期的に受けましょう。また、乳がんは自分で発見が可能な数少ないがんなので、検診だけでなく若いうちからセルフチェックを習慣づけるようにしましょう。

<乳がんのセルフチェック>
閉経していない人は、乳房(乳腺)が柔らかくなる月経終了後7日から10日の間に、閉経後の人は日を決めて毎月1回は行いましょう。普段から乳房の状態を確認することによって小さな変化も気付き易くなります。
チェックポイントは*乳房の変形や左右差の有無*乳房にタダレや皮膚の引きつれやえくぼの様なへこみが無いか*乳房内にしこりやこぶが無いか*乳頭から出血や異常な分泌物が無いか などです。
チェック方法はお風呂に入る前が良いでしょう。まず鏡の前に立ち乳房全体を観察します。そして両腕を高く上げ正面・側面・斜めからもう一度観察し、乳頭を軽くつまみ分泌物が無いかを調べます。次に入浴中に石鹸を手に着け内側から外側へ渦を描くように乳房全体を触りしこりが無いかを調べます。同様に指先を揃えて腋の下に差し入れ(腋窩)リンパ節が腫れていないかを調べます。お風呂で出来ない場合は就寝前にベッド上で仰向けになり同じ様に調べましょう。
尚、乳がんは乳房の外側の上部に発生しやすいので特に注意して下さい。もし、少しでも変化や異変に気付いたら速やかに受診しましょう。毎月のセルフチェックに加え2年に1回は乳がん検診で医師による視触診とマンモグラフィーや超音波などの画像検査を受けましょう。
乳がんは早期に発見すれば90%が治癒出来るので毎月のセルフチェックと定期的な乳がん検診を是非行って下さい。